ツリーという思考

木は、幹からいくつかの枝に分かれ、さらに小枝が分岐して多数の葉をつけて全体としてひとつの機能を果たしている。人は、しばしば組織を考えたり課題に取り組む際に、これらの木の要素を使って図に表したりします。いわゆる「ロジックツリー」と呼ばれるこの考え方は、問題をツリー状に分解してロジカルに原因や問題解決策を探すフレームワークとして様々なビジネスの場面で使われています。　
デザイナーもロジック的思考によってクライアントへの説得力が増したり、信頼性が上がったりするのは分かるけど、みんなが同じように使うと独創性に欠けた月並みな結果になりはしないかと疑ったりしています。ロジック的思考で捉えきれない突き抜けた飛躍こそがクリエイティブの本質であると思いたい。
私の苗字は、西宮市役所前で撮ったこの写真と同じ「楠」です。このコラムにぴったりな名前ですが、ツリーという思考には馴染みません。ほとばしる感性と目利き力、少しのユーモアで「木になるデザイン」をテーマに独自の視点で発信していきたいと考えています。
乞うご期待。