ロックのために生まれたギブソンSG

フェンダーのテレキャスターやストラトキャスター、ギブソンのレスポールはエレキギターの代名詞だと言われていますが、60年代に発表されたギブソンSGは、ロックという音楽ができた後に登場しました。まさにロックのために生まれたギターと言えるでしょう。
ギブソンSGの特徴は、まず薄いマホガニーボディ、やはり薄くなったマホガニーネック、22フレットでのネックジョイントという部分によく現れています。ボディの薄さもあり非常に軽量で弾きやすいギターとなりました。「世界で最も速いネック」というキャッチフレーズが使われ、ギブソンとしても速弾きを意識した設計になっています。
SGのサウンドは、そのシンプルなマホガニーボディとパワフルなハムバッカーにより従来のレスポールのサウンドと比較すると傾向は似ていますがやや軽めになっています。ボディサイズやピックアップの位置も関係してこのようなサウンドになっていますが、低音域が少ないぶん中音域に厚みがあり、それこそがSGの大きな個性となっています。ジャズの流れをくむレスポールから完全にロック用のギターとして設計されたSGは、ガッツある太いサウンドを実現しています。
ギブソンは徹底的にレスポールの欠点を改良しており、サウンドはそのままに軽く弾きやすくなっています。ハイポジションへのアクセスが容易なため、ロック界における弾きまくりの時代に完全に対応しており人気が沸騰したのも理解できます。この時代のギターとして、最高音に指が届くのは感動ものです。
ロックのために生まれたギブソンSGを愛用するミュージシャンやギタリストは、枚挙にいとまがないでしょう。今日も世界中のライブハウスでチェリー色のギブソンSGが、かき鳴らされていることでしょう。