「だんじり」は、関西の秋祭りの主役
「だんじり」は、関西の秋祭りの主役。
だんじりは唐破風の大屋根・小屋根が二段でコマが四つの山車(だし)のことで、西日本地域特有の呼称です。特に岸和田だんじり祭りが有名ですが、大阪堺以南の秋祭りは全てだんじりが主役です。
5月のコラムで取り上げさせて頂いた、木彫前田工房の前田暁彦さんは長年だんじり彫刻に携わっていて、今現在も2年後完成予定の和泉市や愛媛県西条市のだんじりを作られています。だんじりの魅力は、大迫力のやりまわしだけではありません。だんじりに施された「彫り物」は、芸術品とも言える美しさです。
だんじりの彫り物は、歌舞伎・人形浄瑠璃・講談などでも取り上げられているような、歴史的な出来事や物語がモチーフになっています。特に「太閤記」「難波戦記」などが人気の高い彫り物です。彫り物は細かい部分まで精巧に彫られており、欅の木目などもうまく利用されています。
前田さんによると、近年だんじりの仕事は減少しているとのことです。というのは平成時代には数多くのだんじりの仕事がありましたが、それは大正時代に作った多くのだんじりが修理や作り替えの時期をむかえていたためです。だんじりは80年〜100年の寿命があり、次の作り替えの時期まで仕事があまりなく、さらに中国からの輸入の影響もあるということです。
そこで前田さんは、だんじり以外の仕事を求めて天神橋に拠点を移し様々な方面で活躍されています。そのことについては次回のコラムで紹介したいと思います。
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