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摂津市鳥飼銘木町 原木・銘木・製材加工
株式会社 中喜

ウッドベースはリズムの要

「ウッドベース」というのは実は和製英語で、「コントラバス」「ダブルベース」「アコースティックベース」短縮して単に「バス」「ベース」と呼び名はいろいろありますが同じ楽器です。16世紀にヨーロッパで生まれ、18世紀ごろまで演奏されていた「ヴィオローネ(Violone)」という楽器が先祖にあたります。全ての弦楽器の中で一番低音域を担う楽器であるヴィオローネが元になり、コントラバスに発展していきました。
クラシック音楽では、ヴァイオリンやチェロのように弓で弾く演奏方法(アルコ奏法)が基本です。一方、ジャズでは指で弾くのが一般的。クラシックでも曲によっては指で弾くことも
ありますが、これを「ピチカート奏法」と呼びます。
ヴァイオリンなどと同じように、ウッドベースの材料となる木は表材がスプルース(マツ科の針葉樹)、裏板や側板はメイプル(楓)と決まっています。構造は中央にくびれがつき、f字孔と呼ばれるサウンドホールが彫られたボディの中は空洞になっていて、その中で弦の振動を共鳴させることで、あのふくよかな低音が実現します。
僕の場合、ウッドベースといえば真っ先に名前を上げたいのが「ロン・カーター」です。子供の頃からクラシックのコントラバス奏者を目指すも、人種差別の壁もあってオーケストラへの入団か叶いませんでした。その後ジャズベーシストとしての活動を開始し、その柔軟で奔放なプレイスタイルが、モード・ジャズの表現を模索していたマイルス・デイヴィスの目に留まり、ポール・チェンバースに代わるベーシストとして抜擢されました。他のメンバーとの絶妙な相性を見せたカーターは、1960年代のマイルス・ミュージックの屋台骨を支える重要な役割を果たします。それ以降、主に著名ミュージシャンのサイドマンとして無数のレコーディングに参加。中でも強く印象に残っているのは、1974年リリース、「フィービ・スノウ」のデビューアルバム「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」です。FMラジオで彼女の素晴らしい歌声に衝撃を受けて、すぐにアルバムを購入しました。早速針を落として聞いてみると、ウッドベースが凄く上手いのでクレジットを確認するとロン・カーターでした。アコースティックで豊かな音色は太く迫力があって、かつ繊細な芯のある響がありました。すでにジャズ界の巨人であるカーターが、若手のシンガーのデビューに参加していることに驚きと共にその飾らない人柄に益々好感を持ちました。
是非一度、彼のウッドベースを体験して下さい。お薦めです。

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