Menu

摂津市鳥飼銘木町 原木・銘木・製材加工
株式会社 中喜

ストラディバリウスの謎

イタリアのヴァイオリン職人アントニオ・ストラディバリが作った名器「ストラディバリウス」。ヴァイオリニストや収集家の羨望の的であり、しばしばオークションにおいて高額で落札される。現存する真作で最も高値をつけたのは、2011年に1589万4000ドル(約12億7420万円)で落札された1721年製のストラディバリウス「レディ・ブラント」です。日本人では高嶋ちさ子が「ルーシー」を2億円で購入、千住真理子が「デュランティ」を2〜3億円(正確な金額は非公表)で購入している。
ストラディバリウスの音色の秘密については300年以上も昔に作られたにも関わらず、現代の化学をもってしてもその製作工程を解明することができないことから、「神秘の楽器」と称されています。
一般に、ヴァイオリンの表板にはスプルースという柔らかい木が、裏板にはカエデのように硬い木が好まれます。ストラディバリウスの裏板に使われているのは、カエデの仲間の中でも美しいカーリー杢をもつ最高級のシカモア材です。
長い間、聞く人を惚れ惚れさせる音色の秘密はニスにあると考えられていましたが、米コロンビア大学の気象学者たちが「均一な木目が音質に影響している」という新説を発表しました。アントニオ・ストラディバリがヴァイオリンを作っていた頃、欧州一帯を「小氷河期」という寒冷な気候が襲い、木の成長が遅れたことから密度の高い特別な材が手に入ったことが、豊かな音色につながっているのではないかという説です。
ストラディバリの手によるヴァイオリンの木材処理は何かが違うことはわかっているのですが、ストラディバリが工程を書き残すことはなかったため、具体的に何が違うのかわかりません。ただしストラディバリウスの品質を高めているのは、良質の材料のほか、経年による変化があることは確かです。木材は、経年により振動を抑える性質が減少し、振動が長く続くようになります。
いずれにしても、ストラディバリウスを今なお超えることができないのは、人間の叡智をもってしても気候や木材を含めた自然の不思議に迫れないという根源的な事を孕んでいるようです。

木に関する様々な情報を発信しています。ぜひ下記ページもご覧ください。
「木のコンシェルジュ」として木に関するご相談にもお応えします。

Copyright © Nakaki co.,ltd.All rights reserved