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摂津市鳥飼銘木町 原木・銘木・製材加工
株式会社 中喜

座頭市の仕込み杖

勝新太郎の当たり役、「座頭市」は1962年に大映によって映画化されて以来、26作品というシリーズが公開されています。勝新太郎は、映画版、テレビシリーズともに監督業も兼任するようになり、役者としてだけではなく作品の制作に深く携わりました。座頭市は勝のライフワークともいうべき作品になりました。
子母澤寛が1948年に雑誌「小説と読物」へ連載した掌編連作「ふところ手帖」の一編「座頭市物語」が原作です。後年、子母澤が語ったところによれば、江戸時代に活躍した房総地方の俠客である飯岡助五郎について取材するため千葉県佐原市へ訪れた際に、飯岡にまつわる話の一つとして土地の古老から聞いた、盲目の俠客「座頭の市」の話をもとに記したそうです。
座頭市の主人公・市の得物である仕込み杖は、様々な理由により刀剣を剥き出しで携行できない場合に、護身用や暗殺用途に用いるために製作された武具です。仕込みと呼ばれるだけあり、外見からは刀と分からないように偽装されています。その多くは扇子や煙管、杖などの日用品に偽装してある場合が多い。武器を持つ事ができないが武装の必要性のある町人が護身用として持っていたようです。
映画「鬼滅の刃」やゲーム「刀剣乱舞」のヒットを受け、日本刀の人気が高まっています。専門性の高い美術品として、もともと愛好家には人気がありましたが、今や外国人や若い女性にまでその人気が広がっています。刀剣にとって、刀身を治める鞘は必需品です。鞘の多くは朴(ホオ)の木製です。朴の木が選ばれたのは、刀身を保護するのに相応しい適度の柔らかさで細工がしやすく、狂いも少なく、湿気の侵入などを防ぐのに適した材質であるためです。
勝新太郎は「座頭市」の他にも「兵隊やくざ」「悪名」などの名作シリーズがあります。それぞれのキャラクターが強烈で印象深いものばかりです。昭和の名優の中でも勝新太郎は唯一無二の役者でした。それだけに黒澤明監督の「影武者」が勝新太郎主演と聞いたときは大いに期待しました。それがリハーサル二日目で両者決裂、勝が主役を降板することに。
惜しい、勿体無い、言葉では言い表せないぐらいガッカリしました。
やっぱり影武者は、勝新太郎で見たかったなあ。

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