
9種類ある駒の動きで勝負が決まる将棋の世界
将棋の駒の産地は、山形県天童市です。天童市は将棋の駒の9割以上を生産し、国の伝統工芸品に指定されています。18世紀の江戸時代に財政状況が悪かった天童藩が、当時流行っていた将棋に着目し、武士に内職として将棋の駒の製造を薦めたことが始まりと言われています。
将棋の駒の材料には、ツゲ・ツバキ・ホウノキ・カエデなどの木が使用されています。ツゲは緻密で硬く割れにくい性質を持つため、高級品として扱われています。なかでも 伊豆諸島の御蔵島や鹿児島県の薩摩で産出されるものが最高級品として知られています。ツゲには虎斑や根杢、孔雀杢などの杢目があり、工芸的価値も高いです。
将棋の駒の製作工程は、生地作り、駒彫り、駒書きなどです。駒文字には楷書体や草書体、行書体などがあり、蒔絵筆で文字を入れます。彫り方と漆の使い方によって、書き駒・彫り駒・彫り埋め駒・盛り上げ駒に分けられます。
藤井竜王・名人の登場で将棋人気が高まっています。毎日のように白熱した戦いが行われ、盤面を縦横に動く美しい駒によって勝負が決まっていきます。
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