能の舞台にある松は神が降り立つ場所として
能の舞台にある松の絵は、「鏡板(かがみいた)」と呼ばれ、舞台奥の正面に描かれた老松(おいまつ)の絵です。これは春日大社にある「影向の松(ようごうのまつ)」が由来とされており、神がこの世に降り立つ場所であると象徴されます。
松は古くから神聖な木とされ、神が宿る場所、または神が天から降りてくる時の依代(よりしろ)」と考えられてきました。松は日本文化の中で、冬でも青々とした姿を保つことから、変わらぬ生命力や永遠の繁栄を表します。鏡板の松は、演目の種類に関わらず能舞台の「永遠の背景」として固定されています。 …more

